学童保育と私 6 力を誇示して自分を守る子

ケンカする青赤 子育て
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さて、紹介をしてきております学童の子どもですが、今回は兄への劣等感から力で自信を誇示しようとした子をご紹介いたします。

学童保育と私 6 力を誇示して自分を守る子

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Aくんは一言でいえば、口も悪く手も出る男の子でした。
小学生男子にありがちな「俺、最強」を行きたい子だったのです。

信頼関係ができるまでは、荒れたときに注意しても聞かず、悪態をついてくることもありました。

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落ちこぼれではないのに。

よくAくんを見ていると、

平均以上に大体の事ができる

事が分かりました。

賢いし運動能力もあるのです。

一般的には(子どもに対してこの言い方は好きではないのですが)、できる子は自己肯定感が高いので荒れることは少ないです。

でも、Aくんは違います。

どうして荒れるのか…

信頼関係ができて、心を開いてくれるようになった頃、荒れる原因が分かってきました。

頭が良い兄と比べられてしまうことで、自尊心が傷ついていたのです。

Aくんの口からはよく、

「兄はもっとすごいの作っていた。俺のなんか1年生の時に作ってた。」

「兄は天才だから◯◯なんか知ってる。俺はすごくない」

とよく漏らしていました。

同学年と比べてできることを誉めても、兄の方が~と比べてしまい、満面の喜びを出してくれることはほぼありません。

ケンカする赤と青

それだけ自己肯定感が低ければ、ストレスが溜まり、荒れることで発散するしか無かったという事は理解できました。

 

そうなると解決策は自ずと分かります。

Aくんのナンバーワンを誉める

宿題の完了が誰より早いなんて簡単なことでは、賢いAくんを満たすことはできません。

そこで私は秘密兵器を出しました。

兄がまだ習得しきれていない英語です。

英語で自尊心を回復させる

まずは、単語を入れるだけで英文ができるプリント課題を作って、「宿題が終わった人はやってもいいよ」と渡しました。

 

それを

「中学生用だから、すごく難しいけど

Aくんならできるんじゃないか

と思って作ってきたよ!でも

本当に難しいから初めは一緒にやろう!」

 

・難しいから挫折も仕方ない

    →できなくてもよいという逃げ道

・Aくんだけできるかもしれない

    →可能性がある(できると思ってました)

・一緒にやる=教えられながらやる

    →聞きに来る手間、(聞きに行く様子を他の子に見られる)プライド、一人で考え込まなくてよいという利点を与える

上記の意図を盛り込んで打診したところ、OKをもらえて一緒にできました。

 

結果、例として載せていた単語以外の物も使いたい!とか読み方が分からないから言って、などとても前向きに取り組んでくれて、想定の時間より早いうえに、Aくんオリジナルの回答があるという、とても良いものが完成しました。

 

ストレートに、

できるとは内心思ってたけど、想定より早いし、単語も自分で使いたいものを聞けたじゃない😄」

と誉めたら、さすがに照れながら喜んでいました。

それからAくんは私の発音などを持ち前の観察眼でうまく習得していました。

 

他の子に変な言い方とからかわれても、私が側で「Aくんの言い方じゃないと通じないんだよ。それにAくんの発音はとても美しい!できてから変とか言ってごらんよ?」と言うと、安心してまたさらに励んでくれました。

他の子も興味を持って英語をやるものの、Aくんのようにすぐできるわけではないため投げ出してしまったりすると、こっそり優越感を得られたようです。

卒室し、久々に会ってもAくんはその時の発音を覚えており、忘れたよ!と照れつつもキレイな発音で答えてくれました。

教えたことの全てを覚えていてくれたわけではありませんが、かなりの量をおぼてくれていたこと、答えだしたらポンポン出てきたことにAくんの頭の良さを再確認させられました。

 

手が出てしまうことへの対応

Aくんはケンカとなるとすぐに手や足が出てしまっていました。

しかしそれも、信頼関係を築けてからはだいぶ収まりました。

必ず手を出した『理由』を聞いてその都度、Aくんの『理由』に共感し受け入れてから『暴力はいけない。それは負けを認めたことになる』と伝え続けたからです。

夏休みには先に記載しました英語の件もあり、だいぶ落ち着いてきていて保護者の方から「兄のようにいつキレるか分からない子にならずに良かった。先生のおかげです」とおっしゃっていただいたことは大変光栄でした。

弱きものを守るために振るう暴力

守る青年男性

そんなAくんが3年生の時に、学童保育の子どもではない小学校の下級生(2年生)に手を出して泣かせるという事件が起きました。

すでにその頃には、「Aくんが理由もなく手を出すはずがない」という職員間での認識ができるほどになっていたため、私はすぐに仲裁に走り、相手の子のケアを別の職員に任せて理由を聞きました。

興奮しているものの自分を抑えようとしているAくん始め当事者と周りで見ていた子の説明を聞いたところ、下級生の子が学童保育の子ども達ががんばって作っていたものを何度も壊すから「止めろ」と止めていたのに、壊し続けたり、Aくんを蹴ったり殴ったりと繰り返してきた。

そしてAくんではなく側にいた学童保育の下級生(1年生)を蹴ったので、Aくんが怒って突き飛ばした、との事でした。

Aくんはもう自分を馬鹿にしたり、暴力を振るわれるからから手を出すという事はしないのです。下級生が手を出されたところでもう我慢の限界だったようです。

しかし、手を出してしまったことは事実なので、「そういうときは先生を呼んでほしい」ことを伝えて謝らせました。

相手の子は謝りもせず、職員を振り切って逃げて行ってしまいましたが、Aくんには私から「謝ることもできない下級生だよ。ほっておきなさい。それよりも下級生を守ろうとしたAくんの思いが素敵だよ」と伝えて落ち着いてもらいました。

手を出してきた下級生は、学童保育の保護者の方いわく、よく問題を起こすが保護者が不在がちで対応してこないため泣き寝入りがほとんどだという子らしく、職員はその子の姿があるたび警戒したものです。

その後、実際に何度か「おやつくれ!」と学童保育に入ろうとしたことがあります…。

そんな話の通じなさそうな子に対して、Aくんはよくがんばったものだと思います。

 

 

Aくん、君が将来「兄ちゃんもすごかったけど、俺も結構すごい!」と胸を張って言える日が来ることを待ち望んでいるからね。

 

□■□学童と私シリーズ□■□

学童保育と私 1 どうやって育てたらそんなよい子に!?

学童保育と私 2 君はできる子だよ!

学童保育と私 3 本当に9歳ですか?

学童保育と私 4 変わらなきゃ孤立してしまうよ

学童保育と私 5 子どもでいられなかった子


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