学童保育と私 7 認めない大人には従わない子

不機嫌な外国の女の子 子育て
この記事は約6分で読めます。
スポンサーリンク

さて今回は、新入社員さんや異動などで新任となった先生を全く認めなかった子を紹介いたします。

学童保育と私 7 認めない大人には従わない子

Sちゃんはとても気が強く、新任の先生を全く認めません。他の女子との団結力も強いので徒党を組んで職員を無視したり口答えしたりと新任職員泣かせの子でした。

ゲーム&アプリエキスパートコース
スタディサプリ/今なら1週間お試し無料

私もなかなか認めてくれなかった職員の一人でした。いくら私の教え子の上級生たちが「あんこ先生はやばいって。(悪い事したら男女も学年も)容赦なく怒られるって!!」と止めても聞き入れなかったSちゃんですが…

スポンサーリンク

叱られるボーダーラインを探ってギリギリで仕掛けてくる

Sちゃんは気が強いだけでなく、賢さも備えていました。
そのため、暴力に訴える・物に当たる・ひどい暴言を吐くなどという一発で注意されることはなかなかしてきません。
基本的には、職員の指示を無視する、ダラダラと従いたくないという態度で次の行動に移る、強い口調で「やりたくない!」「疲れたの!」「待ってって言ってるでしょ!!」と応えるなどです。
笑顔を見せることは有りません。いつも敵意のこもった眼でにらみつけてきました。

言動の理由は?

なぜそんなに職員を敵視して、従わんとするのでしょうか。

「うざい」「うるさい!」「あっちいってて」「ほっといて」「ダッサ!」と言われながらも毎日Sちゃんと辛抱強く接してみるとすぐにわかりました。
自分のプライドを守るために新参者には従わない、大人にすら従わない姿勢を示す自分がかっこいいとみんなに思ってほしいということが分かりました。

ご家庭でも厳しく育てられているようで、学習面も運動面もかなりできる方のSちゃん。それはできていないと親御さんに叱られるからというモチベーションでやっていました。でもできるにはできるので周りの子からは一目置かれているので、女王様のようになっていました。
そのため、(当たり前ですが)上級生がSちゃんよりできることをみんなの前で見せられてしまったときにはこっそり陰で泣いていました。
誰よりできる自分が否定されてしまう事でとても傷ついてしまうのです。
Sちゃんが求めているのは褒められることだけではなくて、「ありのままのSちゃんを受け入れてもらうこと」だったのです。

どうやって接するか

まずは失敗した例からご紹介しますね。

その時、失敗したのは「できると思ってたのになぁ」と伝えることです。

ダラダラして次の行動に移れないときに、そう言ってみたのですが「だから?」「先生が勝手にそう思ったんでしょ?」と取り付く島もありません。

こちらの安易な思惑通りには動いてくれませんでした。

効果があったのは、自分の背中を見せることでした。

私は自分の仕事が完璧だとは思っていません。だから他の職員さんの手を借りることもありますし、間違いもします。割合はどうあれ、職員同士手助けし合って学童保育を運営しています。

『誰もが完璧ではないからお互いを尊重し合う』という姿勢をはからずとも見せました。

私は子どもを言いなりになるロボットのようなものとしては見ておらず、小さな大人として対等に見ているので、素直によいところは褒めてダメだと思うところも伝えています。

打ち解けたのは些細なきっかけ

そうしていると、ある時Sちゃんが「ねぇ、今日のおやつ何?」と覗き込んできました。

用意しているその中に好物のおやつがあったようで、「私、これ大好きなんだよね!」と笑顔で答えてくれました。

いつもと反応が違うので「そうなの?じゃあ、このおやつ*が出る日はこっそり先に教えてあげるよ」と伝えると…

Sちゃんも一瞬驚いたような反応を見せてから、満面の笑顔で「うん!」と返してくれました。

数日後、またSちゃんの好物のおやつが出たので、学校帰りのダルそうなSちゃんに「今日、好物のおやつよ~。早く用意しといで」と声をかけるとニッコリしてさっさとやることをこなしていました。

数日様子を見ていましたが、それ以降は私に冷たい言葉をかけることは無くなって、自分から話しかけてきてくれたりと敵視されることは無くなりました。

*特殊なおやつではなくて、よく提供されているものです。苦手とする子も多いのですが…。

Sちゃんはおやつの件が些細なきっかけで、私を仲間として見方を変えてくれたのだと感じました。

もちろんそこに「誰もがみな平等の対応をする」という私のスタンスから外れないことは変えられないとの諦めもあったとは思います。

これで分かったのは、先にも述べております『ありのままのSちゃんを受け入れること』です。

・敵視する言動で反抗しても毎日変わらない対応

・叱るも褒めるも他の子とも同じ対応

を続けてきて、Sちゃんが『私』という先生が分かり、Sちゃんも自分を私に分からせたところで、

好みを覚えて教えるという(Sちゃんにとっては)特別な対応

※昨日今日登録をされて登室してきた子ども以外の好物は把握しています。

を私がしたため、Sちゃんが折れてもいいと思えるポイントを作れたのだと思います。

仲間のためには惜しまない

今では指示が通ることももちろんですが、反抗されることもなく私を仲間として見てくれて、円滑に日々を進めるお手伝いすらしてくれます。

例えば・・・

あんこ
あんこ

ごめんね、あっちのテーブルに移動してくれるかい?

ポニーテールの女の子

いいよー

あんこ

ありがとう!助かるよ

ポニーテールの女の子

いいって。たいしたことないし

とか

 

ポニーテールの女の子

こらー!ちゃんと並びなさい!あんこ先生の言う事聞いてたの!?

とか…

たびたび行ってくれる言動から感じ取れるのは、あんこ先生が大変だから・楽になるように「私がやる!」という強い意思です。

もともと友達思いのSちゃんは『仲間に危害を加えるなら私がやる!』という強い芯があります。たまにやりすぎてしまう事もあり、優しく諭すこともありますが(汗)

ですが、何度も繰り返しますが、もともとは仲間に対する優しさがとても高い子。

一度か二度会っただけの私の娘にまで思いを馳せてくれます。

 

Sちゃん。

貴女はとてもとても優しい気質を持った優秀な女の子。

これからも過度な期待にさらされることはとても多いと思います。

あんこは「休憩中」のSちゃんも変わらず大好きだから休みに来ても良いからね。

 

□■□学童と私シリーズ□■□
学童保育と私 1 どうやって育てたらそんなよい子に!?
学童保育と私 2 君はできる子だよ!
学童保育と私 3 本当に9歳ですか?
学童保育と私 4 変わらなきゃ孤立してしまうよ
学童保育と私  5 子どもでいられなかった子
学童保育と私 6 力を誇示して自分を守る子

スタディサプリ/今なら1週間お試し無料

コメント

タイトルとURLをコピーしました